熱抵抗の測定   

 


 よく自作や市販のヒートシンクで、CeleronXXXでCPU温度XX℃と言う表示がありますが、
こいつは、あまり意味をなしません。
 なぜなら、室温が低くなると当然、CPU温度は低くなりますし、CPUの負荷が小さければ
消費電力は小さくなりますから、やはりCPU温度は低くなります。
 つまり、条件によっていくらでも温度が変わるため、自分の環境と比較出来ないのです。

 ヒートシンクの性能評価は、客観性の観点から、やはり熱抵抗によるのが一番いいと思
います。
 CPUの消費電力さえデータシートから読み取れば、熱抵抗をつかって、すぐに最大でど
のぐらいの温度になるかの目安がつきます。


NOTE.

 たとえば、具体的に450MHzにオーバクロックした、Celeron 300Aを熱抵抗1W/℃のヒ
ートシンクで放熱したときを考えます。
 450MHzで動いているCeleronのコアの消費電力は、同クロックで動く定格動作のコアと
等しくなると考えられるので、データシートから、それに近い、Celeron 466MHzの消費
電力を読み取ると、25.6Wですから、

ケース内温度との温度差は、

25.6W×1℃/W=25.6℃ (計算法はこちら参照

となり、ケース内温度を35℃とすれば、CPU温度は25.6+35=60.℃6にもなります。

 もし、熱抵抗が0.3℃/Wなら、25.6×0.3+35≒43℃で済みます。

 これは、グリスの熱抵抗を除いた値ですが、熱抵抗から、実使用時のCPU温度が容易に計
算可能なことがお解りになられたでしょうか?


  そこで、このページでは、FAN付きヒートシンク熱抵抗の測定法を、解説していきたいと
思います。(FANを替えると当然風量が変わるのでヒートシンクの熱抵抗も変化する。す
なわち風速の測定も必要なのだが、このページでは、それぞれ一種類のFANとヒートシン
クの組み合わせで測定するので、関係ない。)


 さて、熱抵抗を測るには、まずはじめに、どんな物理量を知る必要があるのか考えてみ
ましょう。
熱抵抗の定義を思い出してください、熱抵抗=電力/温度ですよね。ということは、電力
と温度が解かれば、熱抵抗が計算できることになります。

 じゃ電力って何でしょう、これはヒートシンクへ供給される。CPUの消費電力ことです。

 では、温度は?というと、これはインテークとCPUの温度差です。
 
この二つを測定してやれば、ヒートシンクの熱抵抗は簡単に求められます。

次に実験装置を図示します。



  ヒートシンクに熱を供給するのに、CPUの代わりにダミーヒータを使います。ヒータの
背面が断熱材で断熱されていますので、このダミーヒータの消費電力が全て、熱として、
ヒートシンクに伝えられます。

ヒーターには電圧計と電流計がつながっており、電力の定義から、

ヒータの消費電力=電圧計の読み取り値×電流計の読み取り値

にて、ヒータの消費電力を求めます。

 さて、温度計のほうですが、インテークの温度とヒータの温度から温度差を求めます。
あらかじめ、温度計にて同じ対象物を測って、一つの温度計がもう一方より何度違う温
度を表示するかを求めて置いて、この値でデータを修正します。

あとは、以下の計算で熱抵抗を求めれば終わりです。

 熱抵抗=ヒータの消費電力/温度計の表示温度の差

 

 

以下に涼風1号の測定結果を示します。 

 

ヒータへの印加電圧
(V)

ヒータの消費電流
(A)

ヒータへの供給電力
=印加電圧×消費電流
(W)
室温(インテーク)
℃)
ヒータの温度
(℃)
温度差
=ヒータ温度-室温
(℃)
熱抵抗
=温度差/供給電力(℃/W)
10.0 1.00 10.0 32.8 35.8 3.0 0.30
12.0 1.20 14.4 33.1 37.6 4.5 0.31
13.6 1.30 17.7 33.1 38.6 5.5 0.31
15.0 1.50 22.5 33.1 40.2 7.1 0.31
16.0 1.50 24.0 33.1 40.6 7.5 0.31
16.0 16.0 25.6 33.1 41.3 8.2 0.32
単純平均 0.31